うちゅうリブ

メンズリブ的なアプローチで、さまざまな話題を語り合う「うちゅうリブ」の公式ブログです!

「うちゅうリブ」のご案内

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「うちゅうリブ」とは

ツイキャスでのちょっとしたやりとりをきっかけにして誕生した、男性ジェンダーへの関心をベースとして、様々な話題を語り合う会です。

共同主催者

会の形式

月に1回、月末の土曜日を中心に開催します。共同主催者が交代で会のテーマを設定し、参加者の方々に簡単に自己紹介していただいた後に、テーマについて自由に語り合うフリートーク形式の会です。

男性ジェンダーへの関心をバックグラウンドとしますが、参加者の性別は一切問いません。どなたでも参加いただけます。

主な活動場所

大久保地域センター(東京都新宿区)

主催者からの挨拶

うちゅうじん

いまの世の中、さまざまな挫折を味わい、解決できない悩みを持ち、不安を抱えながら、「男」として生きている人が多いのではないでしょうか。
これらの違和感を、職場や学校、仲間内の集まりでざっくばらんに打ち明けられる場所はありますか?きっと、多くの人が「ない」のではないかと思います。

なので、「うちゅうリブ」は、参加者同士で、各々が抱える生きていく上での違和感を語りあえる場所を目指しています。

皆さんが語ることに対し、否定も肯定もせず、具体的な解決策も出せませんが、皆さんが語るという行為を選んだことに対し、茶化したり、嘲笑することはいたしません。

ただ、聴きながら、一緒にさまよい続けていきたいと思います。

はじめまして。たまきと申します。

私はTwitterブログで2015年からジェンダー関連の話題を発信しています。元々ジェンダーについて考えるのが好きなだけのオタクのようなところがあったのですが、この度ちょっとしたきっかけで、実践的な会を主催する機会をいただきました。

元々日本のメンズリブ(男性解放運動)は1978年発足の「男の子育てを考える会」を起点とし、1990年代にはそれなりの隆盛を見ましたが、現代では当時の団体の多くが活動を休止し、退潮傾向にあります。

当時のメンズリブに指摘されている課題として、「ウーマンリブ」と対をなす「メンズリブ」の男女二元論(この世界のセクシュアリティは「男」と「女」の2つに分けられるという考え方。多様なセクシュアリティが認識されている現代では批判される)的な問題があります。

分かりやすさを重視して「メンズリブ」という言葉を使っていますが、「うちゅうリブ」は、この男女二元論的な考え方のプレッシャーを極力感じさせない場にしたいと思っています。このような考えから、「メンズリブ」と言うと、一般的には参加者「男性」限定のようなイメージがありますが、うちゅうリブでは、参加者の性別を問うようなことは一切いたしません。規定上は誰でも参加できるということで、実際に参加するかどうかはうちゅうリブを知ってくださった方の判断にお任せします。

興味を持たれた方はぜひお声かけください。会場でお話しできるのを楽しみにしています!

久真八志

2019年2月から共同主催者に追加で入ることになりました久真八志(くま やつし)です。

私にとって興味の対象は男性である自分自身でした。なぜ自分には性欲があるのか、なぜその性欲は倫理的に好ましくないものなのか。悩んでいるときにフェミニズムに出会いました。
フェミニズムの知見は多くのヒントを与えてくれたけれど、やはり男性について語るものではありません。
男性である自分自身について知りたいなら、男性である自分を、自分が語っていこうとしなければならないと思うようになりました。
そんなときに出会ったのがうちゅうリブでした。

うちゅうリブは「男性ジェンダーについて話したい」「男性であることにまつわる話しづらいことを話したい」を叶えてくれる場であり、同時に、集まってくる他の方々と意見交換によって新たなヒントを得られる場でもあります。
そのような場を今後も維持できるように努めたいと思います。

「うちゅうリブ」アイコンのご紹介

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第1回「うちゅうリブ」参加者の雨音@amnsmtさんに描いていただいた公式アイコンです。

「さまようUFO」をイメージしています。「男らしさの呪縛から解放された先に何があるか分からない」という趣旨の意見が第1回うちゅうリブで多く出たことから、このようなイメージを構想しました。UFOの蛇行した軌跡は多様性を表すカラーリングで彩られ、キラキラした星は会で得られた気づきや成果を示唆します。UFOの行き先はまだ誰も知りません。

活動履歴

第12回「うちゅうリブ」告知 —友達がいない—

こんにちは、環です。第12回「うちゅうリブ」の開催内容を告知します。

第12回「うちゅうリブ」開催内容

テーマ

友達がいない

日時

2019/5/25(土) 19:45〜21:45(途中参加、退出可)

会場

大久保地域センター3階会議室C(東京都新宿区)

定員

10名

会費

100円(会場費)

参加申し込み

Twitterで共同主催者の環@fuyu77または久真八志@okirakunakumaまでご連絡ください(DMでもリプライでも可)。

Twitterアカウントをお持ちでない方は、メールアドレスuchulib@gmail.comまでご連絡ください。

テーマ設定の背景

私の回では、第2回「男性はフェミニズムとどう向き合うべきか」、第4回「苦しみのない働き方はどのように実現されるか」と、自分にとってそのときに一番切実な話題をテーマにするようにして来ました。今回はずばり「友達がいない」です。

SNSでつながっている人は多くても、LINEする友達はいない

私の場合、毎月のうちゅうリブで集まったりするのもそうですが、SNSを通じた人間関係はかなり充実していると思っています。Twitterのツイート内容と関連して、リプライで楽しくお話させていただく機会も多いです。その一方で、DMやLINEで文脈に依存しない雑談をしたり、ちょっとした飲みや遊びに一緒に出かけるような友達がいるかというと、ほぼいないというのが現状です。この辺りは人それぞれだとは思うのですが、高校、大学の部活・サークル等の交流と比べて、会社の人間関係は友達付き合いに発展しづらいというのはあるのではないでしょうか。

ぶっちゃけそんなに友達が欲しい訳でもない

とは言え、友達がすごく欲しいのか、友達がいなくてつらいのか、と言われるとそんなこともないというのが正直な気持ちです。SNSにせよ会社にせよ、お互いをリスペクトして、プライベートに不用意に踏み込まない関係というのは心地良く苦しみが少ない。その一方で、「友達(親密な関係)」への過度な期待からは悪しき依存感情が生じます。学生時代の人間関係上の失敗体験の数々を思い起こすとそれだけでこめかみが痛くなって来ます…。

個人的には、無理せず少しずつ仲良くできる人と仲良くしてゆけたらなと思ってます。という訳で、個人的には重そうな字面に比して案外自己解決できてしまっているテーマなのですが、皆さんの「友達」に関する思いもぜひ聞かせていただきたいです。興味のある方はお気軽にご連絡ください!

第11回「うちゅうリブ」実施報告 —本田透『電波男』読書会—

どうも、臨時主催人のケープラ(@maoukpp)です。第11回うちゅうリブの実施内容を報告します。

テーマ:『電波男』読書会

  • 人数:10名
  • 日時:2019/4/21(土)19:45〜21:45
  • 場所:新宿区大久保地域センター

色々と想定外の展開

電波男

電波男

注:本記事には一部『電波男』の表現が混入しています

こんなに人が集まると思わなかった。まず、ほぼすぐに定員埋まったのが想定外だった。それも再読・元々所有していた人間は少数派で、過半数はこのためにわざわざ購入して読んでもらったのだった。
2週間前くらいに主に参加者の『電波男』関連の発言をまとめた限定公開のTogetterを作ったが、そこで本に載ってない情報や批判点も出尽くしていて「これ改めて読書会で話すことあるんだろうか…」と逆に不安になった。
だがそこも想定外の盛り上がりを見せた。「主に1,4章を取り上げる」と告知では書いたが、実際には広範囲に取り上げることに。自由に喋ってもらい、ホワイトボードにそれぞれざっくりと「肯定的、批判的、未来へ」という3つの見出し(列)にしてまとめていった。

90年代から2005年までのオタクにとっての時代・世相を語る会

電波男』は2005年出版だが、ロマンチック・ラブ・イデオロギーだったり「90年代的価値観」が強い作品である。本田透は80-90年代に青春時代を送ったからだ。
本の著者だったり売れている芸能人などは大体30歳以上なので、このような言説には常に10年くらいズレがあるという気付きがあった。特に社会にとってボリュームゾーンであるアラフォー世代の言説は、どうしても声がでかくなる。だからそこから更に14年(干支の一回り以上)もすると一気に古くなってしまうのだなと。
話は多岐にわたり、第2章で語られる『電車男』だったり、『電波男』とは直接関係ないネタ(恋愛ゲームなど)の話でもとても盛り上がり、時間が足りなかった。というか2,3章のネタなんて無視されるとばかり思っていたYO!

批判的意見には、ほぼ議論の余地がない

予想通り、批判的な意見が7割くらいを占めた。告知記事でも書いたように、「オタク純朴論・無罪論」の源流になっているがこれは大嘘である、二次元に旅立つというオタク道は無理ゲーであるという意見は満場一致した。

  • 80年代フェミニズムについて言及があるが、なぜ90年代は無視されているのか?

という問いには、「当時はフェミニズムそのものが非常に弱く、オタクとも無関係だった(オタクが敵視する要素がない)」という回答が得られた。
このあたりは、ポリコレ・フェミニズム叩きが主流の現代オタクとは大きく違うトレンドで味わい深い。これは私の偏見で根拠はないが、もし『電波男』が2019年だったら本田透フェミニストを叩きまくっていたに違いないYO!

  • 本田透は女性に部屋を「掃除してもらうこと」がとにかく好きだが、これはなぜか?

という問いには、「掃除してもらうことが彼にとって渇望していた家族愛の象徴。(すさまじい毒親だった)母親は家事などやらず、いつも自分でやっていたのではないか」という推測でまとまった。

今やオタクがスクールカーストの下層で、学校などでいじめられやすい存在というのはもう過去のものになった。逆に、今はオタク内部の(それぞれのクラスタ内)カーストがある。人が増え細分化、範囲拡大したオタクの定義は、2005年とはもはや違いすぎて話が噛み合わない。今はオタク≠非モテであり、「オタクだからモテない」と開き直れず逆の生きづらさもある。
長くなりすぎるので省略するが、とにかく全般的に「図表や二分法などすベてが雑、身勝手・一面的な男目線」という批判が多かった。その通りで、本田透自身も美少女だけを選んで消費しているではないか(そういうゲームは美少女しか出てこないが)。自虐ネタな部分もあるとはいえ、逆にオタクを貶めているのではないかという批判もあった。
個人的に、若年世代で「萌え」は死語になっているという指摘は衝撃的だった。

電波男』の未来予測はほぼ外れたが一部当たっていたんだよ!!な、なんだってー!

一方で評価する声も。まず、色々と展開された未来予測図。オタクの定義・モデル、社会も変わり、的外れだらけに見えるが…。

  • 「(非モテは)愛がない状態が続くと喪闘気がたまり鬼畜化する」とあるが、まさにTwitterには鬼畜化したオタク=インセルが多く、悪い意味で当たっている
  • 「男の娘」文化は、自給自足の「ほんだシステム」
  • 「オタクがモテ趣味になる」という予測は当時の一般社会でというイメージとは違うものの、界隈・クラスタ内ではモテるので正しい

また、趣味は人それぞれなので、「脱オタ批判」には一理あると評価された。
評価する声には他にもこんなものがあった。

  • ここまで赤裸々に非モテ男の内面をさらけ出したものもなく、2000年代の史料的価値がある
  • 非モテ男の強烈なカウンターコンテンツ。ガス抜き、セラピーになっている

圧倒的文章力、勢い・熱さを評価する声はやはり多かった。あとがきでの急転(ギャップ萌え:死語)ぶりも、見事な構成だと私も大いに評価している。

電波男』をどう乗り越えるかという本題

未来志向の話があまりできなかったのが司会である私の時間配分ミスでもあったが、こじらせたオタクにならないためにはどうするか。このような異性叩きの誘惑をどう乗り越えるか。

  • リアルを大事にする(学校や仕事)
  • まともな交際をする(異性に限らず、人と向き合う)

という、きわめて常識的なまとめになった。当たり前のことを実践していくことが大事なのだろう。人生、年齢が解決することもある。
本田透の90年代の家父長制的・恋愛至上主義的価値観に対しては、

  • 今はリベラルな価値観が当時より広がり、オタクが虐げられる時代ではない。今後社会的圧力が弱まれば、非モテ・独身でもさらに生きやすくなる

という希望のあるまとめ意見もあった。

おわりに:「軽い」読書会の可能性

読書会には色々あると思うが、まずは難しい学術書や論文などをみんなで読み合わせる「勉強会型」があるだろう。次に、過激な意見、賛否両論ある本を取り上げ肯定派・否定派に分かれる「討論型」。
今回は「雑談型」というかきわめて通常のうちゅうリブに近い形だった。特に『電波男』は漫画、映画、ゲームなど引用作品が多いところも、盛り上がる要素だった。
一例を挙げると、第3章で梶原一騎『愛と誠』のモテない男の代名詞として紹介される「岩清水君」は今なら人気が出るのではないかという指摘も、時代を感じさせる。
というわけで、読書会というと固い本、真面目な本のイメージがあったがこういう本でやってもいいのだという発見があった。

最後に。本田透の今日は謎に包まれているが、はたしてこんな読書会があったと知ったら何を思うのだろうか。結果的に素晴らしい読書会になったので、彼への謝意で締めたい。

第10回「うちゅうリブ」実施報告 —『体育』はあなたにとって必要でしたか?—

こんにちは、久真です。第10回うちゅうリブの実施内容を報告します。

実施概要

  • テーマ:『体育』はあなたにとって必要でしたか?
  • 人数:6名
  • 日時:2019/3/23(土)15:15〜17:15
  • 場所:新宿区大久保地域センター

内容

学校の「体育」の時間について、参加者が思うところ自由に話し合いました。

話し合いのなかで出たトピックをいくつか抜粋します。

  • 参加者のなかでは体育が苦手だったという人が多数派。ただし個別の競技にかんしては楽しめたという声も。
  • 体育教師の目が届かなくなりがちで、あまりまじめにやっていなかったり、いじめのような行為(弱い立場の生徒が一方的にバレーボールの練習台になっている場面を目撃したという話も)の温床になっていたりした。一人の先生で数十人を管理するシステムの問題もあるのでは。
  • 他の教科と違い、能力の差が毎回みんなの前であからさまに示されるので、序列ができやすい。
  • 武道、特に柔道の問題。3か月で無差別に乱取りまでさせるカリキュラムで危険だと思ったという声があった。一方で、柔道を専門としていた教師の指導を受けたケースでは、受け身に重点を置いて乱取りも体重別などの配慮があった。教師によって専門分野が異なり、指導能力に差がある。
  • 身体の使い方をもっとしっかり教えてほしかった。さかあがり、跳び箱、マット運動などが苦手な生徒につきあって教えてほしかった。もっとも小学校では教員も体育専門ではないため教え方が上手くないし、短い時間で多人数を教えなければいけないので限界もある。
  • 全体的につまみ食い的なカリキュラムで、身体を動かす能力の向上やその楽しさを学べた気がしない。何が到達点かわからずにやっていた。ただ原因は体育教師の能力というより、システムの問題ではないか。
  • 運動の楽しさを大人になってから知ったという人が多いのは、体育がつまらなくなってしまっているからではないか。
  • 「柔道」「剣道」「ダンス」という選択科目はなんだったのか。実質的に、武道は男子、ダンスは女子しか選択しなかった。

また、保健体育についての話題も多く出ました。

  • 参加者の子供時代はまだネットがなかったので、思春期に身体に起こる変化(夢精、精通、陰毛、包茎など)に関しての知識は保健体育ぐらいしかなかった。こういったトピックは保健体育の授業で簡単に触れられただけの印象で、その後自分に起きても友達と共有しにくかった。女性が生理や妊娠についてきちんと教えられている印象であるのに対し、男子の身体の変化や性に関しては軽くみられているのではないか。
  • 参加者によっては学年全体の講習会で性病や性感染症について教えられた経験があった。そういった経験のない参加者からはうらやましいとの声も。
  • 成人して振り返ると、性教育はもっと十分やって欲しかった。教える時期についてはいろいろと判断が難しいところであるが、大人になってから調べなければならないことがたくさんあった。

まとめ

最後にテーマである「体育はあなたにとって必要でしたか?」をみなさんに聞いてみました。不要という意見はなく、いろいろなことをして体験としては豊かだったとか、楽しい時間はあったとか、みなさんそれぞれ意義は認めていました。

一方で、自分たちが経験してきた体育のカリキュラムについての不満も改めて多く述べられました。その多くは、苦手だからこそきちんと指導をしてほしかったし、そうして身体の動かし方や運動する楽しさを当時もっと知りたかったということです。

「体育にはもっと伸びしろがあるのではないか」

参加者の一人の発言を引用して報告を締めくくりたいと思います。

 

第11回「うちゅうリブ」告知 —本田透『電波男』読書会—

どうも、臨時主催人のケープラ(@maoukpp)です。これまでメンバーとして、皆勤ではないがうちゅうリブに参加してきた(ちなみに「うちゅうリブ」の名付け親も実は私だったりする)。
さて、まず告知の概要から。

第11回「うちゅうリブ」開催内容

テーマ

本田透電波男』読書会

課題図書

電波男

電波男

Amazonレビューを見る限り、差異はないようなので文庫版でもOK。ただしページ数が違うので、読書会としては若干不便)

日時

2019/4/20(土) 19:45〜21:45(途中参加、退出可)

会場

大久保地域センター3階会議室B(東京都新宿区)

定員

10名(先着順)

会費

200円(会場費)

参加申し込み

主に「恋愛資本主義」の第1章とまとめの4章を取り上げる予定。課題図書を持参でき、通読している人なら誰でも参加可能。
Twitterで共同主催者のケープラ楽団@maoukppまたは環@fuyu77または久真八志@okirakunakumaアカウントにご連絡ください(DMでもリプライでも可)。

Twitterアカウントをお持ちでない方は、メールアドレスuchulib@gmail.comまでご連絡ください。

以下、告知記事としては少し長いが、導入部・レジュメとしてお読みください。あくまで私の個人的見解なので、これに対する批判や反論も大いに歓迎。

なぜいま本田透電波男』(2005年出版)か

2月の前々回、第9回で『現代思想』男性学特集の読書会をやった。そこに載っていた記事の参考文献の多くに『電波男』が挙がっていたにも関わらず、直接的な言及がほぼなかったのが不満だった。『現代思想』の編集方針なのか男性学全体なのか知らないが、どうもアンチフェミ的な言説は無視されている。
2次会でそれを言ったら、「読書会やりましょう」となった。これは意外だった。うちゅうリブに多いフェミニズムに親和的な人は『電波男』など大嫌いだと思っていたからだ。その上、主催は私である。
電波男』は14年も経っているが、オタク層限定とは言え比較的広く読まれた。文庫化もされているし、新書アレンジ版『萌える男』もある。非モテ論はもちろん、今インターネットを跳梁跋扈するアンチフェミの源流にもなっている。オタク=非モテは差別されているなどの男性差別論や、「キモくて金のないおっさん(KKO)」を持ち出す弱者男性論系の。
私も当時これを面白く読んだ。だが今、2019年の男性として、『電波男』は乗り越えなければいけない壁だと思っている。過去の自分と向き合い、決着をつけたい。2020年代への大きな宿題を、片付ける。
決して、電波男をただボロクソけなすことが目的ではない。男性以外で「非モテコンテンツ」としてこれを消費した人もいるかもしれないし、色々な人の見解を聞きたいのでいつものように男性以外の参加者も歓迎したい。

恋愛資本主義とは何か

ニーチェの「神は死んだ」以降人間はすがるものがなくなり、恋愛にすがるようになった。それが資本主義=消費社会と結びついたのが現代。世の中が「カネを稼いで恋愛しよう」という価値観になってしまった。男がモテるには、顔かカネ(地位・権力)しかなくなってしまった。恋愛全体が「援助交際」化し、ブサイクはカネで愛を買っているだけ。神に続いて今、愛も死んだ。真実の愛など、どこにもない。

……ざっと要約するとこんな感じになる。『電波男』の問題点は主に当時流行っていた酒井順子負け犬の遠吠え』、倉田真由美だめんず・うぉ〜か〜』を槍玉に上げ女性叩きをしているところだが、これについては後述する。

「リアルを捨て、二次元に行く」というライフハックは成立するか?

このライフハックについて私は否定的である。本のオビにはこうある。

「もはや現実の女に用はない。真実の愛を求め、俺たちは二次元に旅立った」

これは武道のような究極の「オタク道」である。これが実践できる人は一握りのコアなオタクしかいないし、14年経った今、オタクの定義も大きく変わった。ソシャゲ全盛時代、オタクは圧倒的マジョリティとなり、ライトなオタクが増えた。ネットは半端者で溢れ、結果的に『電波男』のアンチフェミ・女性ヘイトだけが残った。
ネットで「恋愛工学」なんてものが流行ったり、結局男はモテたいままだったのだ。俗物オタクに、リアルを捨てる「解脱」などできなかった。神が死に、愛が死に、オタクも死んだのが2019年なのだ。本田透が言っていた「内気で心のやさしいオタク」は、幻想に過ぎなかった。

本田透も、こんな時代は望んでいなかったのではないだろうか。たしかに非モテ男として女性への恨み言を述べてはいるが、露骨な女性蔑視的な発言があるわけではない。フェミニズムにはオタク批判へのカウンターで少し触れただけ、男女平等などの問題については一節も触れていないからだ。あくまで非モテ男のエッセイとして、『電車男』のアンチテーゼとして面白く読めればいいくらいのノリだった可能性が高い(実際、この本は小ネタ、下段の脱線・解説欄が面白い)。
「鬼畜化せずにオタク化せよ」と第3章で述べているように、女性に対し直接的な復讐も否定している。それが今、何かに萌えるわけでもなくネットで女叩きに明け暮れるオタクたちを見て、本田透は何を思うのか。

当日の進行・予定

前述の通り第1章と4章を取り上げる予定だが、参加者が気になった箇所をそれぞれ語っていくという流れでいいと思っている。
主な論点は恋愛資本主義について、それに対する非モテ男のライフハックについて。非モテ男性が女性ヘイトに陥りがちなところをどう乗り越えるか。メインとなる第三の論点については今ここであらかじめ書くことはなく、当日語り合いたい。

それでは、4/20(土)にお待ちしています。共に2000年代にケジメをつけ、未来へ進みましょう!

第9回「うちゅうリブ」実施報告 —『現代思想』男性学特集読書会—

こんにちは、環です。第9回うちゅうリブの実施内容を報告します。

実施概要

会の流れ

事前に参加者の方に当日話したい記事をアンケートして、名前が挙がった上の8記事を扱いました。2時間しかない中で慌ただしかったですが、何とかすべての記事を扱うことができました。

「とり乱しを引き受けること」の「違和連続体」という概念の可能性

なかでも、藤高和輝「とり乱しを引き受けること —男性アイデンティティトランスジェンダーアイデンティティのあいだで」の解釈に興味深い点があったので共有したいです。

この論文では、「性別違和(gender dysphoria)」を「違和連続体(dysphoria continuum)」として捉える考え方*1を、森岡正博さんの『感じない男』を例に、シス男性の性自認にまで適用し得るものとして拡張する試みがなされます。

元々性別違和を「連続体」として捉えようとする考え方は、トランスジェンダーを「身体は女/男だけれど、心は男/女」というように、男女二元論的に単純化された枠組みでのみ捉えることへの抵抗のような文脈で提起されたもののようです。

藤高さんは、森岡さんの『感じない男』に見られる男性身体への痛烈な違和感を根拠に、シス男性も「違和連続体」の範疇にいるのでは、という議論を展開しています。そして、シス/トランスジェンダーの差異は、性別違和の有無ではなく、その違和感を抑圧し、忘却しようとした森岡さんに対して、「シスジェンダーが無視する違和を引き受ける存在として」のトランスジェンダーというような、違和に向き合う際の「相対的な位置」に見いだせるのではないか、ということが語られます。

ここまでがこの論文の簡単な要約ですが、参加者の方から、男性学系の文章を読んでいると、自らのマジョリティ男性としての加害性や権力性を厳しく問われることが多く、つらい気持ちになることも多いけれど、この論文はそういう脅迫性がなくすんなり読めた、「違和連続体」という概念は当事者研究にとって応用可能性の高い概念ではないか、という趣旨の感想が出ました。また、先日うちゅうリブでも読書会をした、Judith Butler(以下バトラー)の『ジェンダー・トラブル』のような、第三波フェミニズム的な議論は難解な印象もある一方で、第二波フェミニズム的な当事者性の強いメッセージには分かりやすさがあり、バトラーを強いバックグラウンドに持ちつつも、当事者性への率直な言及のある藤高さんの文章には親しみやすさが感じられ、第二波と第三波の橋渡しを、「第三波サイドから第二波に寄せる」形で実現した、というような解釈もできるのでは、という話も出ました。

これは私の解釈になりますが、昨年のバトラー来日の影響もあってか、今回の男性学特集はバトラーへの言及が多い印象で、バトラーを肯定的に引用しつつもラディカル・フェミニズムへの回帰を主張する杉田俊介さんの「ラディカル・メンズリブのために」に対して、より素直にバトラー的な雰囲気を出しつつ親しみやすい議論を展開している藤高さんの文章は対照的な位置にあると感じました。

この論文で示された「違和連続体」という概念は、ともすると広範に適用できすぎてしまう危険もありますが、当事者研究への応用という観点から考えても、非常に興味深い概念になって来ると思います。

読書会を終えて

各記事について語る時間が短めになってしまったこと、当日扱えなかった文章も多かったことが、雑誌の特集を読書会として扱うことの課題として残りましたが、複数の著者の文章を複数の参加者の視点で語り合える機会には様々な発見と面白さがありました。また機会があれば、こういった読書会の企画も開いてゆきたいと思います。

*1:藤高さんによると、Gayle Rubinの議論を受けて、Gayle Salamonが提唱した。

第10回「うちゅうリブ」告知 — 『体育』はあなたにとって必要でしたか? —

こんにちは、久真八志です。私の主催では初めて、うちゅうリブとしては記念すべき10回目のご案内です。今回でうちゅうリブは一周年を迎えることになります。

第10回「うちゅうリブ」開催内容

テーマ

『体育』はあなたにとって必要でしたか?

テーマは「体育」です。ほとんどの人が学校の授業で経験した、あの時間について扱います。
参加者のみなさんの「体育」に関する思いを話してもらおうと思っています。お気軽にご参加ください。

日時

2019/03/23(土) 15:15〜17:15(途中参加、退出可)

会場

大久保地域センター3階会議室C(東京都新宿区)

定員

12名(主催者2名を含む先着順)

会費

100円(会場費)

参加申し込み

Twitterで共同主催者の久真八志@okirakunakumaまたは環@fuyu77アカウントにご連絡ください(DMでもリプライでも可)。

Twitterアカウントをお持ちでない方は、メールアドレスuchulib@gmail.comまでご連絡ください。

テーマ設定の背景

 

 私は足が遅く、50m走のタイムは小中高といつも最下位を争っていました。
 「かけっこの速い男子はモテる」といいますが、私の周囲でも体育で活躍する男子は女子から人気がありました。そもそも運動できない男子の私から見ても、運動の得意な男子には強い憧れがありました。その憧れは、特撮やアニメで活躍する男性ヒーローの抜群の身体能力のイメージからきていた……ような気がします。
 しばしば「男性は自分の身体に興味がない」という説を耳にします。しかし少なくとも体育は、男子にとって自分の身体を「男らしさ」と関連付けて捉える(捉えざるを得ない)機会だったのではないでしょうか。
 参加者の皆さんには体育が自分にとってどんな時間だったか?そのとき感じたことが今の自分にとってどんな意味を持っているか?などお聞きできればいいなと思っています。あなたにとって必要だったかどうか、結論を出す必要まではありません。

 その他、体育とメンズリブに関連しそうなキーワードとしては「着替えタイム」「体育教師」「けが」「思春期にともなう身体の成長」「集団行動」などがあるでしょうか。
 思い出話をするぐらいのつもりでお越しください。

第9回「うちゅうリブ」告知 —『現代思想』男性学特集読書会—

こんにちは、環です。最近忙しくて告知記事を書く時間がなかなか取れず、直前での告知になってしまった*1のですが、今週末に、『現代思想男性学特集の読書会を行います!

第9回「うちゅうリブ」開催内容

テーマ

現代思想男性学特集読書会

課題図書

現代思想』2019年2月号の男性学特集を扱います。参加者の方の興味のある記事について、適宜ピックアップしてフリートークする形式としたいと思うので、全記事通読していなくても、お気軽にご参加ください。

日時

2019/2/16(土) 19:45〜21:45(途中参加、退出可)

会場

大久保地域センター3階会議室C(東京都新宿区)

定員

10名(主催者2名を含む先着順)

会費

300円(会場費、レジュメ印刷費)

参加申し込み

Twitterで共同主催者の環@fuyu77またはうちゅうじん@jimmynicol88888のアカウントにご連絡ください(DMでもリプライでも可)。

Twitterアカウントをお持ちでない方は、メールアドレスuchulib@gmail.comまでご連絡ください。

課題図書設定の背景

現代思想』の男性学特集が発売されたということで、これは現代の男性学の情勢を理解する上で格好の題材になると思い、読書会を企画しました。

先日私とメンズリブ対談で熱く語り合った西井開さんも、「痛みとダークサイドの狭間で —「非モテ」から始まる男性運動」という文章を寄稿して、西井さんが関西でやっている「ぼくらの非モテ研究会」の成果をレポートしています。

実際にこの特集を通読してみて、勉強になる記事が多いと感じたのですが、

その一方で、上のツイートのツリーに書いたように、何だか物足りなかったり、男性学メンズリブについて一面的な見方しか紹介されていないと感じる部分もありました。

時間が2時間しかないので、基本的には個別の文章について語る形になりそうですが、余裕があれば、そういった、現代の男性学メンズリブの全体像についての話もできればと思います。

興味のある方は、お気軽にお声かけください。