うちゅうリブ

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第7回「うちゅうリブ」告知 —ジュディス・バトラー来日記念!『ジェンダー・トラブル』読書会—

こんにちは、環です。バトラーの来日を記念して、急遽『ジェンダー・トラブル』の読書会を開催することになりました!

第7回「うちゅうリブ」開催内容

テーマ

ジュディス・バトラー来日記念!『ジェンダー・トラブル』読書会

課題図書

ジェンダー・トラブル―フェミニズムとアイデンティティの攪乱

ジェンダー・トラブル―フェミニズムとアイデンティティの攪乱

第1章「<セックス/ジェンダー/欲望>の主体」を扱います。難しい部分は適当に読み飛ばしていただいても構わないので、第1章に一通り目を通してご参加ください。

日時

2018/12/8(土) 19:45〜21:45(途中参加、退出可)

会場

大久保地域センター3階会議室C(東京都新宿区)

定員

10名(主催者2名を含む先着順)

会費

200円(会場費、レジュメ印刷費)

参加申し込み

お蔭様で今回は定員埋まりました。今回は参加できなかった方も、次回以降のご参加をお待ちしています!

Twitterで共同主催者の環@fuyu77またはうちゅうじん@jimmynicol88888のアカウントにご連絡ください(DMでもリプライでも可)。

Twitterアカウントをお持ちでない方は、メールアドレスuchulib@gmail.comまでご連絡ください。

課題図書設定の背景

12月にバトラーが来日して明治大学で講演を行うというビッグニュースが、突如舞い込みました。私は案内を見てすぐに12/11(火)の方の講演に申し込みました。

大きな講堂は驚くほどの人で埋め尽くされました。500人は軽く越えており、どうやら1000人近い来場者数だったようで、大盛況ぶりにびっくりしました。女性が多かったと思いますが、男性や外国人の方々も少なからずいて、老若男女の幅広い層が見受けられました。

前回の2006年来日の際も上記引用のように大盛況だったようで、バトラー来日というのは本当にすごいニュースです。

この機会に、バトラーの代表作である『ジェンダー・トラブル』を読み直してみよう(または、初めて読んでみよう)という企画です。

第1章で行われる重要な問題提起のいくつかについて、簡単に紹介します。

ジェンダーだけでなくセックスもまた社会的に構築されたものである

セックスの自然な事実のように見えているものは、じつはそれとはべつの政治的、社会的な利害に寄与するために、さまざまな科学的言説によって言説上、作り上げられたものにすぎないのではないか。セックスの不変性に疑問を投げかけるとすれば、おそらく、「セックス」と呼ばれるこの構築物こそ、ジェンダーと同様に、社会的に構築されたものである。実際おそらくセックスは、つねにすでにジェンダーなのだ。そしてその結果として、セックスとジェンダーの区別は、結局、区別などではないということになる。

生まれ持った生物学的性(セックス)と後天的に社会的に構築された性(ジェンダー)があるというのは、ジェンダー論の教科書的説明になると思いますが、バトラーはそういった二元論的区別を否定し、セックスもまた社会的に構築されているとします。

ジェンダーを撹乱するという戦略

本書は、男の覇権と異性愛権力を支えている自然化され物象化されたジェンダー概念を撹乱し置換する可能性をつうじて思考をすすめ、かなたにユートピア・ヴィジョンをえがく戦略によってではなく、アイデンティティの基盤的な幻想となることでジェンダーを現在の位置にとどめようとする社会構築されたカテゴリーを、まさに流動化させ、撹乱、混乱させ、増殖させることによって、ジェンダー・トラブルを起こしつづけていこうとするものである。

バトラーは、従来のフェミニズムの、家父長制社会を打倒するという戦略ではなく、覇権的ジェンダー規範をパロディ的に反復・撹乱することで、ジェンダー・トラブルを起こしつづけていくという戦略を提唱します。

詳細な議論は読書会の場で行いたいですが、バトラーの提示する刺激的な観点は、社会や生活の中で起きる、ジェンダーの問題が絡む事象に様々な解釈可能性を生み出す汎用性があります。

ジェンダー・トラブル』読んでみたいと思っていたけれど、難しそうで諦めていたという方も、バトラーに詳しい方も、どなたでも歓迎します!興味を持たれた方はお気軽にお声かけください。